第1章 YOKE中期計画について 1  YOKEがめざす多文化共生社会 《横浜の現状と外国人をめぐる現状》 横浜は世界に開かれた国際都市として、古くから多くの外国人を受け入れてきました。こうした在住外国人に加え、この横浜を拠点に日本で学び、働く意欲を持つ人が増え、今や横浜に 住む外国人は約10万人に及び、市内人口の3%に迫ろうとしています。一方、市の人口は、2019年をピークとして減少が進み、今までに経験のない人口減少社会を迎えています。 このような状況の中で、関連する法改正を行うなど国は政策を転換し、今後も外国人の増加が見込まれ、外国からの人材を受け入れるための環境整備が急務となっています。 しかし、受け皿となる地域によっては、外国人が増加する中で地域コミュニティとの融和が進んでいないケースも見受けられます。 《YOKEの現状》 YOKEは、横浜市の外郭団体として、また公益財団として横浜市の多文化共生の一翼を担っています。横浜市から多文化共生総合相談センター、地域日本語教育の総合的な体制づくり 推進事業、3つの国際交流ラウンジ、国際学生会館などを受託・運営するほか、独自の事業に取り組んでいます。市内には現在、11か所の国際交流ラウンジが運営され、多文化共生 社会を目指す地域の拠点として、在住外国人をはじめ市民からの相談、通訳・翻訳、語学講座、若者の学習支援、居場所づくり、ボランティアの育成に努めています。 YOKEはラウンジ協議会などを通じて情報提供や研修などの支援を進めています。また、横浜市国際学生会館の指定管理を担い、横浜で学びさらなる活躍が期待される留学生を支援する とともに、地域行事への参加や市民・学生との交流を通じて、グローバルな人材を育成しています。 《YOKEのミッション・ステートメント2001》 私たちは、国際都市横浜の歴史的・文化的特性を継承しつつ、異なる文化や価値観をともに認め、尊重し合える豊かな社会づくりを目指します。  《中期計画 2022-2025》 増える外国人をいかに支援するか、地域コミュニティとの融和をどのように進めるか、課題は山積しています。YOKEは、横浜における多文化共生社会の実現に向け、外国とつながり 横浜に暮らす人々、横浜で活躍する人々、そしてこれにかかわる様々な主体を「支え」「つなぎ」「相互理解を深める」役割を担っていきます。こうしたアクションを通じて 「外国人が活躍する」社会を目指します。 2 YOKEミッション・ステートメント 〇私たちは、国際都市横浜の歴史的・文化的特性を継承しつつ、異なる文化や価値観をともに認め、尊重し合える豊かな社会づくりを目指します。 3 計画の位置づけと他の計画等との関連性 ・横浜市国際戦略【2021年10月策定】<国際局> 市の国際事業を戦略的に展開し、成長につなげていくための考え方として「横浜市国際戦略」が策定されました。重点的な取組の柱の一つに「多文化共生の推進」を掲げています。  ・横浜市多文化共生まちづくり指針【2021年10月策定】<国際局> 「横浜市国際戦略」に基づき、同戦略における重点的な取組事項「多文化共生による創造的社会の実現」を目指して、横浜市が実施する多文化共生施策の取組の方向性を明らかに するものと位置付けています。 ・「地域における多文化共生推進プラン」【2021年10月策定】<総務省> 地域社会への外国人住民の積極的な参画と多様な担い手となる外国人住民が、主体的に地域社会に参画し、自治会活動、防災活動、他の外国人支援等の担い手となる取組を促進します。 横浜市国際交流協会中期計画 ⇔ 横浜市中期4か年計画 2018-2021 ※政策4「グローバル都市横浜の実現」の主な施策の一つとして「多文化共生の推進」を掲げており、在住外国人の暮らしの中での多様なニーズに対し、地域における情報提供や相談対応、 日本語支援などを進めるとともに、地域でのつながりを促進する取組を推進していくこととしています。 《人権の尊重は大前提》  地域で多文化共生を進める前提として、同じ「ひと」として外国人の人権を尊重しなければなりません。しかし、報道では外国人を排斥したり「言葉の暴力を振るう」ような行為も 見受けられます。私たちが外国でそのような扱いを受けたら、どう感じるでしょうか?地域では、マナーが守れないのは外国人、といった見方をされるケースもあります。 本当にそうでしょうか?批判をする前に私たちにもまだやるべきことがあるはずです。手を取り合えば、お互いもっと暮らしやすい地域社会をつくることができるはずです。 横浜市では、外国人を含めた人権を尊重し、この視点に基づく施策を推進するため「横浜市人権施策基本方針」を策定しています。YOKEもこれをふまえ、人権を大前提として施策・ 事業を進めていきます。