ごあいさつ  最近の4年間を振り返ると、日本の社会に大きな影響を及ぼすとともに、YOKEの事業に変化をもたらす重大な三つの出来事がありました。  一つ目が、「改正出入国管理・難民認定法」の施行です。これにより、外国人の受け入れが拡大し、今後、地域・職場・学校で外国人が増えていくと見込まれます。受け入れる側の環境整備とし て、YOKEにおいては、ボランティアや関係団体の皆さんの力を得ながら、日本語教育の体制を拡充しました。外国人が生活していくためには、言語の問題だけでなく、住居、進学、就労なども 含めた総合的な支援が必要です。ただし、支援することがゴールではなく、支援の担い手となる外国人を育成し、さらには地域や職場の一員として活躍する外国人を増やすことを目指していきま す。そのためには、地域に出向き、地域コミュニティと外国人コミュニティの橋渡しをするコーディネイターの存在が重要であると考えています。  二つ目が、新型コロナウイルスの感染拡大です。その影響は、世界的な規模で私達の生活や経済活動に及び、2年以上の長期間にわたりました。感染予防の観点から人と人の接触が避けられると ともに、外国との往来は制限され、オンラインでのコミュニケーションやテレワークなどの新たな生活様式が広がりました。YOKEにおいては、一部の事業で取りやめや規模縮小を余儀なく されましたが、ICTを活用したオンライン事業により、計画していた事業の実施に努めました。 技術革新は、今後、AI(人口知能)などの分野で進んでいくとみられ、翻訳・通訳、相談などの事業にも変化をもたらす可能性があります。YOKEにおいては、こうした技術革新や社会情勢 の変化に適応し、私達にしかない強みを持ち、価値を高め行く必要があると考えています。  三つ目が、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻です。この紛争は、二国間の問題にとどまらず、世界的な危機となり、各国の安全だけでなく経済にも多大な影響を及ぼす事態になりました。 人が生存するという根本的な人権を脅かす戦争を止めるため、また、攻撃を受ける国及び国民を支援するため、我々は何が出来るのか、真剣に考えることになりました。我々は外国人との関わ りを避けて生活をすること、また、日本が国際社会のなかで孤立して存続することは困難です。 YOKEは、お互いの国の文化の違いや歴史を理解し、尊重し合うことにつなげる事業を展開していきます。また、平和や人権を含むSDGsなどの、国際社会の一員として取り組むべき課題 について理解を深める事業にも取り組んでいきます。  この中期計画では、2017~2021年を期間とする中期構想を振り返ったうえで、引き続き取り組むべき基礎的な事業については継続する一方、上記のような社会情勢の変化やニーズを踏まえて 見直しを行いました。また、本計画はアクションプランとし、成果指標を設定して取り組んでいくこととしました。  私どもは、YOKEの使命を果たすべく、それぞれの事業を着実にすすめ、目標にむけて組織一丸となって取り組む所存です。事業の中には、ボランティアの皆様をはじめ各団体・各機関との協 働により進めていく事業も数多くありますので、何卒、関係者の皆様方のご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。 2022年4月1日 公益財団法人横浜市国際交流協会 理事長 小野﨑 信之